「子連れで再婚するって難しそう」って、当事者でもあるシングルマザーの口からこぼれ落ちる言葉なのですが、本当に難しいのでしょうか?
先ほど保奈美さんにNさんを紹介した時、あふれんばかりに良いことも、そうでないことも再婚後にはどうなるのかと、脳みそをフル活動している様子を見ていると、心の持ちようで、どちらにも転ぶのではないかと思うのです。
「シングルマザーの再婚は難しい」と声にだして言っていると、その声を自分の耳で聞くことによって、自分の脳に植え付けているだけなのかもしれませんよ。
ただし、安易な再婚ではなく「慎重に!」は念頭においてほしいものです。
保奈美さんにお相手のプロフィール紹介が続きますが、今までに考えたこともなかった難しさがでて…くるのかも…。
one before:「【子連れで再婚・シングルマザー保奈美さん(8)】再婚の失敗は許されない!」
シングルマザーの再婚が難しい本当の訳
誰しもつまずくところってありますよね。例えば、国語が苦手な子もいれば数学が苦手な子。また主要5教科は成績が良いのに、副4教科になると成績が振るわない子もいるでしょう。
シングルマザーの再婚も同じで、どこが難しいのだろう?夫婦関係を保つのに自身がないのか、とにかく子供のことが心配で仕方がないのか、取り巻く環境なのか。
保奈美さんはプロフィール紹介を進めるにつれて、「どこが難しい」のかを探し始めましたよ。
Sさん39歳
性格:明るくて気が利く
続柄:長男
学歴:大卒
婚姻:再婚
仕事:公務員(役所の市民課勤務)
年収:680万円
身長:173㎝
体重:62㎏
趣味:旅行
〈アピールポイント〉
- 地元安定業種であり、キャリア候補でもある。
- 再婚後の家事分担にも協力的である。
- 長男であることから後継ぎが必要。
〈婚姻歴について〉
- 30歳~36歳まで婚姻関係あり。
- 離婚理由:元妻が仕事中心で一切の家事を放棄、併せて、自宅に戻らない日も多々あり夫婦関係が破綻。
- 慰謝料無し。
【アドバイザーのみ閲覧】
- 一軒家を自己所有しており、直ぐ近くには両親の自宅があり、何かと干渉されることが考えられる。
- 本人はバリキャリの性格が強めの女性が好みである。
「イケメンですね~。」
Sさんを見た女性は声をそろえて言うセリフを保奈美さんからも聞きました。そして社交的で、はにかんで笑う可愛らしいところもあるので、まさに旬の人気者なんです。
「Sさんは1回目の結婚から学びを得て、再婚相手は家庭的な穏やかな女性を探していらっしゃいますよ。これはご両親も望んでいることだそうです。」
はぁ、と、どことなくうわの空?そして間延びして返ってきた言葉が、
「かっこよすぎてお見合いは緊張しそうですね~」って。
あら、まだ、写真から目が離れていないのね。
そうそう、自宅を所有している事からおのずと住まいが限られるため、保奈美さんの長男君は転校を余儀なくされます。ただ、再婚当初はアパート暮らしでも検討するとも聞いているので話し合いが可能のようだが、きっと双方の職場を考慮してが前提なのでしょうね。
保奈美さんは、ここをどう考えるのか?転校させるのはきっとイヤなはずだから。
「もう1人はどんな方ですか?」と、冷静さを取り戻し、タブレットの端末操作を促される形で3人目の方をご紹介することになりました。
Gさん38歳
性格:おっとりしていて優しい
続柄:長男
学歴:大卒
婚姻:再婚(子供あり)
仕事:会社員(食品関係の生産管理)
年収:535万円
身長:170㎝
体重:65㎏
趣味:釣り
〈アピールポイント〉
- 大手コンビニの食品管理・開発に携わる仕事をしている。
- 結婚や子育ての経験値の高さがうかがえる。
- 住まいについては要相談。通勤1時間前後であればどこでも住める。
〈婚姻歴について〉
- 26歳~30歳まで婚姻関係あり。
- 離婚理由:元妻が子供を連れて実家に帰っていたが、ある日、「もう戻りたくない、実家で子供と暮らす」と言われ離婚。
- 慰謝料無し。養育費3万円/月(18歳まで)
1~2ヶ月に1回、子供と面会しているが、元妻とは離婚後顔を合わせていない。
【アドバイザーのみ閲覧】
- お子さんはお嬢さんで現在小学4年生です。
- 再婚後も娘さんとの面会は続けていきたい希望です。
- ただし、多感な時期に入るため、娘さんの気持を優先するとのこと。
保奈美さんが気になったのは、仕事とお嬢さんのことです。
「お仕事が随分不規則そうですよね。コンビニって新商品が常に発売されるので、消費者から見ても忙しいイメージがありますから。」
「それと、娘さんが私の長男のひとつ年上。再婚をしたら義理の姉弟になるんですよね。」
交わることのない姉弟なのかもしれませんが。
ふだんはスーツ姿でパリッとした雰囲気なのですが、プロフィール写真はYシャツにVネックと家庭的なモードをアピールしています。
「勝手なイメージですが、小学校の運動会とかにいるお父さんに見えてきました(笑)」
経験則ってすごいですよね。どこからともなくにじみ出てくる自信のようなものがちゃんと写真でも伝わるなんて。これは、結婚したことがある人、子育てをしたことがある人でないと成しえない技でしょう。
保奈美さんが安心を感じたのは間違いないのですが、このGさんを紹介している間は、気持ちを整理しているかのように落ち着いていたので、
「今、考えていることを教えて下さいませんか?」と聖母マリアのように優しく微笑んで聞いてみると、
「お相手にお子さんがいると聞いた時、自分の感情はどうだったのかなど考えていたのです。Gさんとは一緒に暮らしていないお嬢さんがいることを私は複雑な思いで聞いていましたから。」
シングルマザーの再婚が難しいのではと一般的に思われているのは、こういうことを指しているのではないでしょうか?
こういうこととは、「経験したことがない領域へ足を踏み入れるのが子連れ再婚」なのですから、知らないから、わからないから難しいのです。
保奈美さんにとって自分の子供がいることは当たり前なのですが、お相手の子供となると話は別で、紹介をされて、自分に迫ってきたことによって、初めての感情が起こったから、「戸惑い」になる。
ですが、戸惑いって決して悪いことではないですよ。脳みそに汗をかいて考えるからまた先に進めるでしょ。
気が早いかもしれませんが、成婚が早いカップルに共通することは足を止めないことなんですよ。未開拓の地に一歩踏み込んでみてから考えてみれば良いのです。そのためにアドバイザーが付いているのですから。
この日の帰り道、保奈美さんは電車の中である空想をしたそうです。
「長男とGさんのお嬢さんが対面することになったら、長男はきっとタジタジになってしまうだろ。顔を真っ赤にして私の後ろに隠れるかもしれない。」
そんなことを考えていたら「くっ」と吹き出してしまって、恥ずかしかったですって。
そっ、それで、保奈美さんは誰にお見合いのお申し込みをしたのかって?
- Nさん37歳 初婚
- Sさん39歳 再婚
- Gさん38歳 再婚(子供あり)
うふっ、全員に決まってるじゃないですか!
婚活の目的がハッキリしている保奈美さんですから、お申し込みをしない選択脈はないでしょう。
さあ、お見合いの申し出を受けてもらえるのか、私の腕の見せどころです。
to be continued:「【子連れで再婚・シングルマザー保奈美さん(10)】シングルマザーと結婚する男」